2002年ワールドカップ決勝戦終了後、ゴールにもたれかかって動くことができないドイツ代表のゴールキーパー・カーン。
この大会で神がかり的な活躍を見せ、下馬評の低かったドイツを決勝にまで導いた彼が最後に見せたこの姿に、キーパーという特殊なポジションの全てが集約されていたのかもしれない。
カーンはキーパーというポジションについてこう話す。
「(キーパーには)非情に強い精神力が求められ、肉体的にトップのコンディションにあるだけでなく、困難な状況でも強い神経を持ってなければならないのです」
しかしこの大会で唯一と言っていいカーンのミスが、決勝戦で起こってしまった。
「(キーパーは)とても孤独な存在なのです。いい意味でも悪い意味でも試合を決定づけることができる。素晴らしいセーブ、そして致命的なミス......。キーパーには常に英雄にも裏切り者にもなる緊張感があるのです」
英雄と裏切り者のはざまで揺れる孤独なポジション、ゴールキーパー。
しかし必死にチームのピンチを防ぎ続けたカーンを裏切り者と呼ぶものはいない。
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