1974年西ドイツ大会の1次リーグで、最初で最後の東西ドイツ対決が実現した。
分裂して25年、まだ一般の国民は自由な行き来ができない時代だった。
当時の西ドイツはベッケンバウアーをはじめ世界的プレイヤーを何人も擁する優勝候補筆頭。
同じドイツとはいえ、西ドイツの勝利を誰もが疑わなかった。
0-0で迎えた後半32分、先制点を決めたのは意外にも東ドイツ。
結局このゴールが、そのまま決勝点となった。
初出場の東ドイツが、優勝候補の西ドイツを下す大番狂わせを演じたのだ。
東ドイツ代表のストライカー、ユルゲン・シュパールヴァッサーは、こう振り返る。
「特別な思いを抱く人もいたが、我々選手はピッチに立った瞬間、東か西かは問題ではなくなった」
ハンブルグで行われた歴史的一戦に集まった6万人以上の観衆は、東ドイツ代表を暖かい拍手で迎え、
声援を送ったという。
「同じドイツ人だ、がんばれ」
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