2002年FIFAワールドカップ日韓大会の決勝が行われた、横浜国際総合競技場(現:日産スタジアム)。実は、ここの芝生には大きな秘密がある。
建設当初から芝生の整備に携わってきたグリーンキーパーの柴田智之さんは、あることを最も気にかけていた。それは雨。
ワールドカップの開催時期が梅雨の季節にあたるため、雨対策が必要だった。
柴田さんのとった方法、それは芝生に穴を開けて、水、空気、栄養が芝生の下にまで行き届かせるようにしたことだった。
そのため芝生は元気な状態を保ち、なおかつグラウンドの排水にも良い影響を与えた。
またこのグラウンドは、他のスタジアムと違い、1100本の柱で支えられた高床式構造になっており、それも雨の排水能力を高めた。
そして2001年に行われたワールドカップの前哨戦、コンフェデレーションズカップの準決勝。
日本対オーストラリア戦でその努力が実を結んだ。
その日は視界が遮られるほどの豪雨が試合開始から終了まで降り続けた。
しかし、芝生には水たまり一つできず、選手の繰り出すパスは最後までピッチ上を転がり続けた。
その試合でゴールを決めた中田英寿選手も「ボールが普通に転がっていた」と驚いた。
いつも通りのプレーが出来るというその一言が、柴田さんにとっては一番、嬉しい言葉だった。
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